【ルール】
〇 2手目は△8四歩とする。
〇 3手目着手後の「elmo」の評価値(思考時間10秒)を指標とする。なお、 この値は動作環境などにより多少前後します。
〇 1手目と3手目の指し手を手順前後しても構わない場合「▲7六歩=▲2六歩」、そうでない場合は「▲7六歩→▲7七角」のように表記する。
まず初期局面での評価値は [0] と考えます。
また参考に、「▲5八玉→▲5九玉」のように2手パスをした場合、評価値は [ -205 ] となります。
2手目を△8四歩に固定した場合、3手目までの手順は約900通りほどですが、
実戦で指されるのは10通りほどだと思います。それ以外の膨大な指し手の中にはどんなにひどい序盤があるのでしょうか。
比較的ましなものから紹介していきます。
●香上がり型
「▲1八香=▲9八香」[ -533 ]

序盤早々に両香を上がるという奇抜な手順。
先手は居飛車か振り飛車どちらでも穴熊志向なのでしょう。
「▲9八香→▲9九角」[ -498 ]

舐めプの代表格である穴角戦法の第一歩、両香上がりよりはましとの判断です。
●端桂型
「▲1六歩→▲1七桂」[ -492 ]
(「▲9六歩→▲9七桂」[ -480 ])

いきなり端歩から端桂跳ね。
いくらなんでもトリッキーすぎます。
先手には桂損の未来しか見えません…。
●▲5八金左型
飛車を振り忘れたわけではありません。飛車先を受けるのを放棄する方針。
「▲5八金左=▲6八銀」 [ -661 ]

早くも8七の地点が受かりません。
金銀を動かしただけなのにここまで悪くなるんですね。
「▲5八金左=▲6八飛」 [ -578 ]
(▲5八金左→▲6八金寄 -523)

いきなり先手玉の右に壁形が。飛車先も受けづらくすでに劣勢。
●▲7八飛型
3間飛車党の方は気を付けましょう。
「▲7八飛→▲6八玉」[-770]
(「▲7八飛→▲6八銀」 [ -587 ])

8七の地点が受からず玉飛接近という、まさに悪形。
以下、こんな感じでとんでもないことになります。

●▲8六歩型
初手悪手の代表「▲8六歩」です。
「▲8六歩→▲8五歩」 [ -2233 ]

自分から飛車先を破られにいく暴挙。ついに-2000超えです。
以下このようにと金を作られ、大きな駒損が予想されます。

▲8六歩は以下のように、大きく評価が下がります。
「▲8六歩=▲6八銀」 [ -2031 ]
「▲8六歩=▲9八香」 [ -1568 ]
「▲8六歩=▲7八飛」 [ -1111 ]
「▲8六歩=▲1四歩」 [ -906 ]
「▲8六歩=▲9四歩」[ -837 ]
「▲8六歩=▲2六歩」 [ -738 ]
「▲8六歩=▲7六歩」 [ -507 ]
●▲7六歩型(角捨て型)
初手界の最大手である▲7六歩ですが、大きな危険も伴っています。
「▲7六歩→▲3三角」 [ -3014 ]
(「▲7六歩→▲4四角」 [ -2408 ])

ついに出ました最低値!-3000オーバーです。
角を捨てるために初手▲7六歩と指しているんですねぇ。
ちなみに同じ角を捨てるにしても、▲4四角ならば角損で済みますが、▲3三角だと馬を作られさらに損です。

このように△4五角から馬ができ、泣きたい局面になります。
●番外編
本当に最低なオープニングは2手目△3四歩から生まれます。
「▲7六歩、△3四歩、▲7八銀」[ -3721 ]
(「▲7六歩、△3四歩、▲6八銀」[ -3500 ] )

人生で1度や2度はやってしまうミス。
△8八角成とされ、角損で馬を作られた上に香車も受かりません。
こうなると逆転はほぼありえませんので、潔く投了しましょう。
どうだったでしょうか。
みなさんはこういうひどい序盤は避けるように気を付けましょう。
ただ同時にこうした様々な可能性を見ることで、将棋の自由さを考えるきっかけとなれば幸いです。