先手が2筋の歩交換をした時にこの歩を取ってくるのが狙いの進行になります。
しかし、先手もこの歩を取ってくるとは限りません。
取れるものなら取ってみよ、と言っても警戒されて取ってこないこともあります。
その場合になりやすいのが、
先手が▲2八飛[1]と引いてから相がかりのように引き飛車棒銀で攻めてくるパターンです。

このまま先手に簡単に棒銀で負かされては戦法自体が無理ということになります。
[1]の局面では△7三銀〜6四銀などとしていっても後手が簡単に潰れることはありません。
しかし先手の銀に威張られる展開になり、一つのミスで簡単に飛先突破されて負けるリスクがあります。
これは自分の力が出しきれない展開で悔しい思いをする可能性が高いです。
そこで私がおすすめするのが、6二銀型を生かした△7二飛[2]です。

{+-50以内の互角}
*{}内はgpsfishの評価値。+なら先手、-なら後手が良いことを示す。
先手が初手▲7六歩を突いているので、7筋での歩交換がしやすくなっています。
この形で一番怖いのが先手がただ銀を前進させるだけの棒銀に負かされることですよね。
ただ私の研究ではそういった一直線棒銀には7筋の攻めで対抗できそうなんですね。
たとえば先手が本当に単純に棒銀だけで攻めてきた場合、
以下
▲3八銀 △7五歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲2七銀 △3四歩
▲3六銀 △7六歩 ▲7八金 △7三桂 ▲2五銀 △6五桂
▲3四銀 △7七歩成 ▲2三銀成 △同 金 ▲同飛成 △8八と[3]

{-2000以上 後手勝勢}
となれば後手必勝です。
先手の棒銀も2三の地点で同金としてしまえばそれ以上の攻めがありません。
それよりも7筋の攻めの方が玉に近く強烈なので攻め合い勝ちが望めます。
後手も棒銀で簡単に負かされることがなければ研究を生かしたり、
力を十分に出せる展開に出来るのではないかと思います。
先手が横歩を取らず引き飛車にしてきたときは、
△7二飛と後手も一歩交換をして棒銀を牽制するのが有力です。
※この記事は「Jの詰将棋ブログ」の再掲版です。