2019年03月25日

将棋における駒のポジションについての考察(ES仮説)

まず最初に将棋には9×9=81のマスがあります。

では、その将棋盤に右上から数字を振ってみましょう。
縦に1,2,3,…と振り、下まで行ったら左隣の上からまた数字を振っていきます。

そしてその数字が奇数のマスをOS(Odd numbers Square)、偶数のマスをES(Even numbers Square)と呼ぶことにします。

奇数偶数.png

OSは41マス、ESは40マスあり、OSのほうが1マス多いことがわかります。
またOSは角の初期可動域(初期配置の角が行けるマス)でもあります。
角は斜めにしか動けませんから、角交換をするか馬に成るかしない限り、
OS上しか移動できず、ESへ行くことはできません。

これらのことが将棋の法則に深くかかわっているのではないかというのが今回の私の考察です。


◎ES仮説「ES上に配置された駒(特に玉、飛、金)は良いポジションである」
ここで玉、飛、金の3種の駒を「ESP(ES Pieces)」または「ES駒」と呼ぶことにします。

例として、良い形とされている囲いや攻め駒の配置を見てみましょう。

矢倉4六銀3七桂型
矢倉.png

横歩取り青野流
aono.png

横歩取り8五飛
85hi.png

美濃囲い
mino1.png

高美濃囲い
mino2.png
銀冠囲い
mino3.png

雁木囲い
gangi.png

船囲い
funa.png

松尾流穴熊
anaguma.png

右玉
migigyoku.png

石田流三間飛車
ishida.png

角換わり2九飛
29hi.png




というように、ESPがES上に配置された駒組みは多くの場合で定跡化され、
良い形とされていることが見て取れます。


●理由
それはなぜなのか、考えられる理由が以下の二つです。

理由@相手の角に取られるリスクを軽減することができる。
理由A自分の角の効きを遮らないことで、角の可動域を増やすことができる。

理由@について

玉はもちろん取られてはいけない駒であり、
飛車は角との交換は望ましくないというのはある程度理解できます。
また飛車は角に狙われた場合に、斜めの利きがないため途中に駒を配置して遮断するのが難しい駒です。

金というのは一般的には角よりも弱い駒であるとされていますが、
近年のコンピュータ将棋の発展により、
中終盤においては角を切って金を削る手が有効であることが明らかになってきています。

角は初期状態においてOS上に移動が制限されています。
またOSはESよりも1マス多いこと、特にセンター9マスにおいては OS:ES=5:4 でありその比重は大きくなります。
将棋のセンター9マスは角の働きが最も高くなるポジションと考えられますから、
角という駒はESよりもOSにいた方が良い場面が多い(角はOS上にいることが想定される)ということが予想されます。

〇角の移動可能マス数分布
kaku.png
角は盤の中央に近づくほど働きが良くなる

理由Aについて

「序盤は奇数筋の歩を突け」という格言もありますが、
自分の角を生かすためにはOS上に駒を置かないことが有効です。

これは特に、角を交換しない戦術においてもっとも有効であると予想されます。

また逆説的に予想するならば、角交換してES上に角打たれた場合、
OS上にES駒を配置するのが良いかもしれません。

●例外について

例外として、OS上にESPが配置される理由について考えます。

OS上にESPを配置する場合、
その駒が角で狙われた場合にその利きを遮断する駒(Bishop Interceptor)が存在する必要がありそうです。
この考え方を「BI理論」と呼ぶことにします。

anaguma.png
例えば松尾流穴熊の場合、玉は9九のOSにいますが、その右斜め前に銀、角、歩と3枚の BI が存在します。
この場合はOS上にいるリスクよりも玉が遠いリターンの方が大きいのかもしれません。

通常の美濃囲いの場合、玉は8八のOS上におり、 BI は7七歩の1枚です。
この場合、角で攻撃された場合に弱い囲いであると言えそうです。

Rzy.png
こういった攻めに弱い。

BI の駒種についてですが、銀、桂、歩であることが多いです。
特に銀はOS上に配置されやすい駒であり、角との交換に強い駒なのかもしれません。

また BI の枚数については2枚以上が望ましいと思われますが、
金に関しては1枚で足りていることが多そうです。


よって、駒組の際にESPをOS上に配置する場合、
2枚以上の BI を配置できればそのリスクを軽減でき、
有効なポジションにできると考えられます。



posted by J at 21:00| Comment(0) | 将棋考察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月03日

将棋 ワーストオープニング特集

今回は将棋において序盤早々に不利になる手順を検証したいと思います。


【ルール】
〇 2手目は△8四歩とする。
〇 3手目着手後の「elmo」の評価値(思考時間10秒)を指標とする。なお、 この値は動作環境などにより多少前後します。
〇 1手目と3手目の指し手を手順前後しても構わない場合「▲7六歩=▲2六歩」、そうでない場合は「▲7六歩→▲7七角」のように表記する。


まず初期局面での評価値は [0] と考えます。
また参考に、「▲5八玉→▲5九玉」のように2手パスをした場合、評価値は [ -205 ] となります。

2手目を△8四歩に固定した場合、3手目までの手順は約900通りほどですが、
実戦で指されるのは10通りほどだと思います。それ以外の膨大な指し手の中にはどんなにひどい序盤があるのでしょうか。
比較的ましなものから紹介していきます。


●香上がり型

「▲1八香=▲9八香」[ -533 ]


序盤早々に両香を上がるという奇抜な手順。
先手は居飛車か振り飛車どちらでも穴熊志向なのでしょう。

「▲9八香→▲9九角」[ -498 ]


舐めプの代表格である穴角戦法の第一歩、両香上がりよりはましとの判断です。

●端桂型
「▲1六歩→▲1七桂」[ -492 ]
(「▲9六歩→▲9七桂」[ -480 ])


いきなり端歩から端桂跳ね。
いくらなんでもトリッキーすぎます。
先手には桂損の未来しか見えません…。

●▲5八金左型

飛車を振り忘れたわけではありません。飛車先を受けるのを放棄する方針。

「▲5八金左=▲6八銀」 [ -661 ]


早くも8七の地点が受かりません。
金銀を動かしただけなのにここまで悪くなるんですね。

「▲5八金左=▲6八飛」 [ -578 ]
(▲5八金左→▲6八金寄 -523)

いきなり先手玉の右に壁形が。飛車先も受けづらくすでに劣勢。


●▲7八飛型
3間飛車党の方は気を付けましょう。

「▲7八飛→▲6八玉」[-770
(「▲7八飛→▲6八銀」 [ -587 ])

8七の地点が受からず玉飛接近という、まさに悪形。
以下、こんな感じでとんでもないことになります。



●▲8六歩型
初手悪手の代表「▲8六歩」です。

「▲8六歩→▲8五歩」 [ -2233 ]

自分から飛車先を破られにいく暴挙。ついに-2000超えです。

以下このようにと金を作られ、大きな駒損が予想されます。


▲8六歩は以下のように、大きく評価が下がります。
「▲8六歩=▲6八銀」 [ -2031 ]
「▲8六歩=▲9八香」 [ -1568 ]
「▲8六歩=▲7八飛」 [ -1111 ]
「▲8六歩=▲1四歩」 [ -906 ]
「▲8六歩=▲9四歩」[ -837 ]
「▲8六歩=▲2六歩」 [ -738 ]
「▲8六歩=▲7六歩」 [ -507 ]

▲7六歩型(角捨て型)
初手界の最大手である▲7六歩ですが、大きな危険も伴っています。

「▲7六歩→▲3三角」 [ -3014 ]
(「▲7六歩→▲4四角」 [ -2408 ])


ついに出ました最低値!-3000オーバーです。
角を捨てるために初手▲7六歩と指しているんですねぇ。
ちなみに同じ角を捨てるにしても、▲4四角ならば角損で済みますが、▲3三角だと馬を作られさらに損です。


このように△4五角から馬ができ、泣きたい局面になります。


●番外編

本当に最低なオープニングは2手目△3四歩から生まれます。

「▲7六歩、△3四歩、▲7八銀」[ -3721 ]
(「▲7六歩、△3四歩、▲6八銀」[ -3500 ] )



人生で1度や2度はやってしまうミス。
△8八角成とされ、角損で馬を作られた上に香車も受かりません。
こうなると逆転はほぼありえませんので、潔く投了しましょう。



どうだったでしょうか。
みなさんはこういうひどい序盤は避けるように気を付けましょう。

ただ同時にこうした様々な可能性を見ることで、将棋の自由さを考えるきっかけとなれば幸いです。
posted by J at 21:00| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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